点字について,更に詳しく知りたいという方のために,もう少しだけ説明をしてみたいと思います。
点字は六つの点の組み合わせからなることはすでに書きました。点が出ているか,そうでないかの組み合わせですから,コンピューターで使用される2進法の考え方です。
コンピューターの場合,8ビットが基本になっていますが,そのような意味においては,点字は6ビットです。
ですから,点字は,最もコンピューターの考え方に近いものなのかも知れません。
六つの点の組み合わせですから,数学的に言いますと,2の6乗ということになり,64通りの組み合わせができます。ただ,何も点が出ていない状態,すなわち,マス空けに使用されるものも含まれますので,実際は63通りが文字として使用されることになります。
この63通りで,日本語はもちろん,数学記号,理科記号,楽譜,英語,ドイツ語,中国語など,すべての文字を表現するのですから,何とすばらしいものでしょうか。
50音と濁音,半濁音につきましては,前頁で説明をしましたので,ここでは拗音と拗濁音の構成から書いてみます。
すなわち
キャ キュ キョ シャ シュ ショ
チャ チュ チョ ニャ ニュ ニョ
ヒャ ヒュ ヒョ ミャ ミュ ミョ
リャ リュ リョ
です。点字がローマ字を強く意識して作られていることは,すでにお気づきのことと思います。すなわち,「あ行」に6の点を加えれば「か行」,5・6の点を加えれば「さ行」ですから,ローマ字でkやsを加えるのとまったく同じです。
この拗音や拗濁音もローマ字の発想からできています。
例えば,「キャ」ですが,ローマ字では,kyaと書きます。このyが点字で書く時には,4の点になります。
ですから,「キャ」は,「カ」の前に4の点を前置するのです。何故,前置するかというと,これは,やはり触読することを強く意識したのでしょう。
次に
ギャ ギュ ギョ ジャ ジュ ジョ
ビャ ビュ ビョ
ですが,これは,「ギャ」なら,「ガ」に4の点を加えると4の点と5の点に「カ」だという考え方ができます。すなわち,「ガ」であるgaに4の点であるyを加えるからgyaです。
また,ピャ ピュ ピョ
につきましても,pya pyu pyoであり,このyを4の点と考えれば良いのです。
次に,数字ですが,これは「数字フラグ」である3・4・5・6の点を前置してから,0から9に対応する「ロアイウルラエレリオ」を書きます。
アルファベットは,「英文字フラグ(外字符)」である5・6の点を前置します。
これ以上の説明につきましては,以下のサイトをご覧ください。
全国視覚障害者情報提供施設協会(略称 全視情協)が開いている「ひとりで学べる楽しい点字」のサイトへは以下よりお入りください。
「ひとりで学べる楽しい点字」